住宅ローンを契約した場合、返済期日が決められています。
ペナルティとして遅延損害金が発生します。
債権者も、約束通りに支払ってもらえなければ容赦しません。
債務者は、返済が遅れたことで債権者に損害を与えているのですから、損害金を支払うことになります。
そして、この遅延損害金、甘くみてはいけません。
利息よりも金利が高いのです!
「ちょっとだけ遅れてしまった」と安易に考える債務者も多いのですが、後々になって大きな負担となります。
ここでは、遅延損害金について説明していきます。
1. 支払う金額が多くなる!遅延損害金の恐ろしさ
遅延損害金はとても恐ろしいものです。
例えば、住宅ローンで延滞した場合をみてください。
<遅延損害金の計算方法>
多くの住宅ローンの損害金の利率は14%〜14.6%程度です。
毎月の返済額を10万円として、10日遅れた場合の計算すると…
「元金10万円×14.6%÷365日×遅れた日数10日=400円」となります。
たった400円と思うかもしれません。
確かに、数日程度の延滞ではそれほど警戒する必要はありません。
しかし、決められた返済(返済期日)ができなければ、さらに遅延損害金は加算されてしまいます。
延滞が1ヶ月、2ヶ月と伸びれば、遅延損害金も増えます。
月々のローン返済金だけでも負担な方にとっては、大きな負担になってしまうのです。
早い段階で返済の遅れを取り戻し、計画通りの返済をおこないましょう。
1-1 期限の利益が喪失した場合には一括で請求されてしまう
また、滞納が続けば期限の利益は喪失されます。
そうなれば、月々の返済額ではなく、ローンの残りの金額に対しての遅延損害金が発生してしまうのです。
例えば、ローンの残債が2000万円あったら…
2000万円×14.6%÷365日×(最初に遅延した日からの日数)となります。
損害金だけでも数十万などと膨大な金額になることが分かりますね。
当初ローンを組む際には遅延することなど想像するはずもないでしょう。
それほどチェックもせず見落としている方が多いのですが、契約書には小さい文字できちんと書いてあります。
遅延損害金について簡単に説明してまいりましたが、もし、現在住宅ローンを滞納してしまい遅延損害金を請求されている状況であるならば、今すぐに専門家に相談することをおすすめします。
2. 任意売却や競売で物件を購入する方にも注意が必要
また、任意売却や競売で物件を購入する方にも注意が必要です。
この支払い義務は買受人となります。
そして、通常、ローンの滞納から競売での配当日までは1年以上の期間があります。
つまり、損害金の額は数百万円となります。
これが上乗せされて売却代金を支払う事になります。
物件を購入しようと考えている場合には損害金の額もきちんと確認しておきましょう。
ただし、任意売却においては、これらの遅延損害金は売却代金に含められて、払わずに済む事もあります。