法テラスや弁護士会、市町村の法律相談窓口など、弁護士に無料で相談できる機会は増えています。

 

日本弁護士会の調査によると、無料の弁護相談を利用した人は、有料の相談を利用した人の9倍にもなっています。

 

参考:弁護士会等による法律相談〜日本弁護士連合会

 

ネット社会になった今、昔のように待っていれば相談者がやってくる時代ではなくなったということ。

 

弁護士も無料相談をして顧客を増やそうと動くようになったのです。

 

弁護士が無料で相談にのってくれるんです。
法律に関する悩みを抱えている人にとって、利用しないなんてもたいない

 

ぜひ上手に活用していただきたいとおもいます。

 


市町村の法律相談で注意しなければならないのは、相談時間が限られているという点です。

 

相談があっても、時間をオーバーしてしまっては、話をすべて聞いてもらえないこともあるんです。

 

自分でも何を相談して良いのかわからない状態では、よくわからないうちに時間が経過して終わってしまいます。

 

市町村の法律相談を利用する場合は、次のような人にオススメします。

  • 弁護士に有料相談をするか依頼をするべきことかどうか迷っている人人
  • 短時間で説明できるシンプルな問題を相談したい人
  • 弁護士に依頼をする前提で弁護士を選ぶために相談をする人

このような場合なら、市町村の法律相談を活用することで、大きなメリットがあるとおもいます。

 

しかし、相談の内容が複雑な場合、裁判中・調停中の問題、しっかりとアドバイスをもらいたい場合には、初めから法律事務所で相談をしたほうがよい場合もあります

 

市町村の無料相談と、法律事務所での法律相談は違います。

 

上手く使い分けることが必要です。

 

これを踏まえて、市町村の法律相談の上手な活用術を紹介します。

1. 市町村の法律相談はどこまで相談できるの?

 

市町村の法律相談は、どんな問題でも解決できるようなものではありません。

 

相談内容にもよりますが、一般的な対処方法や法的手段の手続きの仕方、依頼した方がよい問題かどうかなど、今後どうしたらいいかを弁護士がアドバイスしてくれる程度です。

 

また、内容証明や契約書、答弁書等の書類の作成はしてくれません。

 

担当した弁護士にその場で解決してもらいたい、という思いで相談に行く人がいますが、具体的な解決方法はその場ではうけることができません。

 

依頼をしたいと思っても、その場で依頼することもできません。

 

他にも、既に弁護士に依頼している問題については、相談にのってもらえません。

 

市町村の無料相談にのってくれる弁護士は、その地域を管轄する弁護士会から順番に派遣されている弁護士です。

 

そのため、専門分野があったとしても、それに関係なく一般的なアドバイスにとどまります。

 

相談者も、特定分野専門の弁護士に相談したくてもできないのが現実です。

 

2. 市町村の法律相談の上手な活用術@〜事前準備をしっかり

なんの準備もしないで行ってしまうと、何も収穫なく終わります。

 

あらかじめ相談内容や質問事項をまとめておきましょう。

 

こんな解決がしたい、というように考えていることなども書いておくといいですね。

 

どんなことを考えておくと良いか、1つの例として、離婚の場合を紹介しますので参考にしてください。

 

2-1 離婚の場合

【例】 トラブルについてどんな解決を希望しているのか?

  • 慰謝料を請求したい
  • 親権を獲得したい
  • 財産分与を解決したい

 

【例】解決のためになにを知りたいのかは?

     
  • どんな証拠が必要なのか知りたい
  • どのような手順で進んでいくのか知りたい
  • 親権をとるには何をしたらいいか、どんなことが有利になるのか知りたい
  • 住宅ローンがある場合の財産分与はどうなるのか知りたい

 

【例】今の状況は?

  • 同居している状況
  • 離婚したいことを伝えてない
  • 不倫していることは確実だけどこれといった証拠がない
  • 別居しているが子供がいるので週一であっている

 

また、現在までの状況を時系列しておくと、弁護士も把握が楽になります。

 

手元に関係する資料があれば、すべて揃えて持参してください。

 

2-1-1 資料の例

離婚の財産分与や養育費、慰謝料の場合

パートナーと自分の収入がわかる書類、ローンなど負債がある場合にはその書類など

 

不倫の慰謝料の場合

結婚期間、子供の有無がわかる書面、不倫前と後の夫婦関係についてのメモ、不倫の証拠 写真やメールなど

 

不倫で慰謝料請求されている場合

受けとった内容証明や相手からの手紙など

 

3. 市町村の法律相談の上手な活用術A〜当日の面談時に注意すること

 

弁護士に相談に行く、というのは、日常的なことではありませんね。

 

緊張する人も多いと思います。

 

場の雰囲気に飲まれてしまうと聞きたいことも聞けません。

 

服装もいつも通りで大丈夫です。

 

普段からカジュアルな服装ならそのままの格好で問題ありませんので、いつも通りの自分でいきましょう。

 

また、時間に余裕を持ってくださいね。

 

遅れてしまったり、急いでいき焦ったりすると、自分のペースを保つことができなくなってしまいます。

 

平常心で相談をして、アドバイスを聞くだけでなく、弁護士の雰囲気や話し方などをよく観察してください。

 

そうすれば、弁護士事務所へ直接の有料相談へ行くかどうかの判断もできます。

 

ただ、その場で有料相談へ行くかどうか答えないでください。

 

「考えてから、こちらからご連絡します」として、相談後に落ち着いてから判断しましょう。

 

4. 市町村の法律相談の上手な活用術B〜無料相談の後に考えること

市町村での弁護士相談は、一般的な内容にとどまることがほとんどです。

 

インターネットで検索すれば出てくる程度のこともあります。

 

相談後は、ネットで検索してみてください。

 

もしネットに出てくる程度のアドバイスしかしてくれず、追加情報もないような弁護士なら、その弁護士に依頼するのはやめましょう。

 

どんなアドバイスを受けたか、また話し方や雰囲気はどうだったかを考えてみてください。

 

そのうえで、有料相談や依頼する弁護士として、信頼するに値するかを総合的に判断しましょう。

 

5. 市町村の法律相談の上手な活用術のまとめ

 

市町村の無料相談は、本当に簡単な相談だけで終わってしまうケースもあります。

 

だからこそ、しっかりとした準備は必要です。

 

「ちょっとだけ話を聞いてみたい」ということであれば無料なので気軽にいくといいでしょう。

 

しかし、「本気で悩みの相談をしたい、解決をしたい」という前提で行くと、期待外れとなり、がっかりしてしまうこともあります。

 

最初にもお伝えしたとおり、次のような場合には、活用してください。

  • 費用をかけてまで弁護士に相談や依頼をするべきことかどうかを知りたい場合
  • 短時間で説明できる問題の場合
  • 弁護士に依頼をする前提で相談をする場合

 

また、弁護士に依頼する前提で無料相談を活用する場合なら、回数制限が許すまで、なんども利用して、相性が良い弁護士に出会えるまで利用しましょう。

 

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