競売での売却基準価額は他の評価方法と比べてどれくらい違いがあるのか?売却価格を分析

競売では、手続きが進む中で「売却基準価額」というのが決められます。

 

売却基準価額とは、裁判所が決める価格のことです。

 

 

裁判所がどのようにこの価格を決めるのか、これを知っていると損をしません。

 

どうせもう競売するんだから、価格なんてどうでもいいと思っていると、損をしてしまいますよ。

 

裁判所で決める価格以外にも、市場で売れる価格など、同じ不動産でも売り方によって価格に違いがでてきます。

 

大事な持ち家を売るのですから、少しでも高く。

 

また、少しでも高く売れれば、引っ越し代や借金の返済にあてることもできますね。

 

まずは競売で売る場合の価格の決まりかた、市場価格との違いについて知ってください。

 

1. 競売の売却基準価額は市場評価よりも低く評価される!なぜ競売のほうが安くなるの?

 

競売で裁判所が決める価格を「売却基準価額」といいます。

 

「売却基準価額」は、実際には不動産鑑定士が算定して、裁判所が最終的な価格を決めて公表されます。

 

この価格は、市場で売れる価格よりも低くなることがほとんどです。

 

そのため、「競売物件は安い、お買い得」などと言われています。

 

どうして競売だと安くなるのか?

 

競売物件には、様々な特徴があります。

 

競売物件ならではの特徴によって、市場価格よりも減額されるのです。

 

競売物件の特徴は、主に下記のようなことです。

 

  • 売主(所有者、債務者)が協力してくれないケースが多い
  • 競売物件という抵抗感
  • 内覧制度はあるものの、あまり利用されず、買受申出人が物件の内覧ができない
  • リフォームなどがされず、そのまま引き渡される
  • 落札した場合、売却代金を1か月以内に一括で支払う必要がある
  • 買受人は売主(所有者)に対しての明け渡しなど、直接交渉しなくてはいけない(居座って明け渡さない場合には、明渡しの強制執行をしなくてはいけないケースもある)
  • 裁判所の資料が間違っていた場合でも、代金を支払った後であれば返金されない
  • ローン特約が効かない。万が一融資が降りなかった場合でも支払うことができる人しか入札できない

 

 

このような事情が考慮されて価格が決まります。

 

市場で売り出される場合よりも、買い手側にデメリットが多い、ということが価格に反映されて、市場よりも安く価格が設定されているのです。

 

実際にどれほど市場価格と異なるのか?ですが、各地によって異なるものの、市場価格の約60%前後(都内は30%)です。

 

2. 「最低売却価額」から売却基準価額制度へ!入札者が増えて競売取引が成立する制度!

 

現在、裁判所で決められる建物の価格の基準は、「売却基準価額」となっています。

 

裁判所が調査を行って、評価書に基づいて金額を決めています。

 

少し前は違いました。

 

「最低売却価額」という制度で競売はおこなわれていたのです。

 

裁判所が決める価格よりも、高い金額で入札しなければいけないという制度。

 

しかし、この制度だと、市場で売るよりも高い価格になってしまうケースも出てしまったのです。

 

結果、入札する人も少なくなり、競売取引が不成立に終わるなどの問題が。

 

このような背景があって、いまは「売却基準価額制度」に変更されています。

 

以前の制度とは大きく異なり、裁判所が決めた価格よりも20%下回る価格でも入札することができます。

 

最低入札額が低くなったことで、入札者も多くなりました。

 

競売取引が不成立に終わる、という問題も解消されたのです。

 

なお、この20%減額した価格のことを「買受可能価額」といいますが、各裁判所の物件明細書等閲覧室に公告書が掲示され、確認ができます。

 

3. 不動産価格は裁判所が決める価格や市場価格だけではない!損をしないための知識

 

不動産の価格を決める際の評価方法は、裁判所が決める以外の方法もあります。

 

以下の5つあります。

 

  1. 国土交通省が出す公示価格
  2. 都道府県が出す基準地価
  3. 国税庁が出す路線価
  4. 市町村が出す固定資産税評価額
  5. 時価(実勢価格)(実際に売買された価格)

 

このように色々とある中で、一番低い価格となるのが、競売の「売却基準価額」になっています。

 

一方、一番高いのは?

 

時価です。

 

もちろん、物件によって異なりますが、時価が一番高い傾向です。

 

知っておいて欲しいのは、評価方法が異なると、同じAという家でも価格は変わる!ということ。

 

例えば、Aという家があるとします。

 

公示価格 1600万円
路線価 1800万円
時価 2000万円

 

 

一番低い価格と高い価格の差は400万です。

 

そして、もっと低い金額になるのが裁判所がだす「売却基準価額」です。

 

裁判所は、価格を決める際に、他の評価方法をもとに決めますが、他の価格より低く設定します。

 

具体的には、

 

上記のAのケースだと、売却基準価額は1080万〜1260万円くらいです。

 

概ね約60%前後(都内は30%)の価格で出します。

 

一番高い価格と比べると、

 

約800万円もの差がでますね。

 

競売での取引は、通常の取引よりも格段と価格が低くなっています。

 

少しでも高く売ることを考えて売ってください。

 

高く売れば、ローン債務を減らせます。

 

場合によっては、引っ越し代金にあてたり、他の借金の返済にまわすこともできます。

 

すでに競売の申し立てをされてしまっていても、まだ間に合うかもしれません。

 

諦める前に、任意売却の可能性を探るべきです。

 

 

4. 競売で売却した場合のメリット・デメリット

 

競売で売却するとどうなるのか、競売で売る場合のメリット、デメリットを紹介します。

 

<デメリット>

  • 市場価格より安く売れてしまう
  • 競売で売り出していることを知られてしまう
  • プライバシーが守られない

 

<メリット>

  • 手間がかからず売ることができる
  • 退去するまでの期間にお金が貯められる
  • 競売終了後に自己破産すればローン債務や借金の返済をしなくてすむ

 

一番にあげられるデメリットは、市場価格より安く売れてしまうことです。

 

買う方としては、競売物件の一番の魅力は安く手に入れられることです。

 

全てのケースとまでは言えませんが、競売で売ると、たいていのケースで損をします。

 

競売のデメリットとしては、競売で売り出していることを知られてしまう可能性があることです。

 

競売物件の情報や売却結果は、インターネットで公開されています。

 

「BIT」という不動産競売物件情報サイトがあります。
http://bit.sikkou.jp/

 

誰でも検索することができ、住所ものっているので、このサイトを見た人には自分の家の住所が知られてしまいます。

 

さらに、過去3年分くらいの売却データも公開されているので、競売で家を売った事実を知られてしまいます。

 

このようなことから、競売になると、競売情報をもとに入札を考えている人が自分の家を外から見たり、周辺をうろついたりすることもあります。

 

近隣の人に聞き込みをされることも。

 

「プライバシー」が守られない、というデメリットがあることも知っておいてください。

 

一方、競売のメリットは手間要らず、ということです。

 

裁判所がすべて進めてくれます。

 

通知がきますが、無視していても勝手に競売手続きは進むので、売却がされて手続きは終わります。

 

また、競売開始から落札されるまで、約8ヶ月かかります。

 

この期間、または落札されなかった場合、落札されるまでの期間は、家賃も払わずに住み続けることができます。

 

その間、お金を貯めることができる、というのも一つのメリットです。

 

売却してもローンの残りの返済ができない人、ほかにも借金があって返済できない人にもメリットがあります。

 

競売終了後に自己破産ができます。

 

自己破産するのですから、持ち家がいくらで売れるかなんて関係ありませんね。

 

任意売却だと売却後に残りのローン返済、借金があればその返済をしなくてはいけませんが、競売して自己破産すれば、ローンの残りの返済も借金の返済もしなくてよくなります。

 

5. 住宅ローン債権者は裁判所の基準価額を知りたい!あえて競売を進めることもある!

 

競売より任意売却で高く売りたい!と思って債権者に任意売却を申し出ても、なかなか応じてくれないことがあります。

 

債権者(銀行)によっては、「競売の手続きを一度進めてから任売を検討しましょう」というケースも。

 

理由は、その物件がいくらで売れるのか?を債権者がきっちり見極めたいからです。

 

担当者は、任売で進めるには、上司に申し出て会社の決済を取らなくてはいけません。

 

本当に任意売却のほうが高く売れるのか?を見極める必要があるのです。

 

その際に債権者が参考にするのが、競売での売却基準価額です。

 

裁判所が価格を示して、その基準より任意売却のほうが高く売れるとわかれば、会社の決済が取りやすくなりますね。

 

「どの方法で売れば、より多く債権を回収できるか?」

 

これは債権者にとってとても重要です。

 

任意売却をしたい場合には、債権者(銀行)の事情を理解したうえで、任意売却の交渉をするとスムーズだと思います。

 

ただ、時間的な余裕はあまりありません。

 

任意売却へしたい場合には、専門家のサポートを受けてください。

 

 

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