競売における売却基準価額がポイント
住宅ローンの問題は、自宅を売却して返済にあてるという手段があります。
既に滞納している状態ですから、債権者から売却の話が出てくることもあるかもしれません。
任意売却をするかどうかは、自分で決めなくてはなりません。
その上で債権者の同意を得なくてはいけません。
住宅ローンが残っている状態の自宅を不動産流通市場で売ることを提案するタイミングの時期はいつがいいのか?
それは、競売前に自分から提案するか、競売にかけられてしまってから提案するかになるでしょう。
しかし、債権者の中には、競売前に提案してもなかなか同意してくれないケースもあります。
というのも、銀行など債権者の担当者は、社内で稟議書を提出して通さなくてはいけません。
つまり、回収できる金額を明確にしなくてはならないのです。
- どのような売り方ならより高く売れて回収できるか?
- いくら金額の差があるか
このように、任意売却にする根拠がほしいというところです。
場合によっては、競売の申し立て後に不動産流通市場で売るという方法を提示した方が、話がスムーズになるケースもあります。
競売申立後に売る方法がスムーズなる理由は?
競売開始となれば、裁判所が不動産鑑定士を派遣して調査し、売却基準価額を決定してくれます。
この売却基準価額がその不動産の落札価額の基準となります。
債権者にとっては、「競売なら○○円の回収が見込める」というように金額が明確になるわけです。
逆に、これを上回る金額で売ることができるのであれば、他の方法を取ることに問題ないことになります。
債務者としても、金額が明確な方が債権者である銀行や保証協会との交渉がしやすくなりますね。
もっと言えば、競売における売却基準価額が決まった後に不動産市場で売るという交渉が来たほうが、担当者が喜ぶケースもあります。
社内で稟議を通すことを考えれば、
「競売の売却基準価額だと○○円の回収」
に対し、
「不動産流通市場での売却ならそれよりも高い○○円が回収できます」
と明確にすることができるのです。
信頼できる専門家と交渉のタイミングを相談する
債権者によっては、売却の交渉をするタイミングも重要だという説明をしました。
その際の注意点もお伝えします。
一般的には、競売のほうが安く売れるため、債務者にとっても残債が多く残ってしまうというデメリットがあります。
競売になれば、その手続きはどんどん進んでいきます。
出したばかり出し・・・と呑気に構えているとあっという間に落札されてしまいます。
そうなると債務者は後悔することになってしまいます。
競売に入った際、一般市場で売るための交渉が可能なのは、入札の前日までです
しかし、これは単純に競売の取り下げがいつまで可能か!という理論的な話です。
実際には、債権者が開札期間に入ってまで応じることはないのです。
理由としては
- 単純に面倒という事や実務的な問題
- 競売費用の回収などの問題
など様々な要素があります。
ギリギリでの交渉や変更には債権者の心情から考えても難易度が上がります。
また、個々のケースによってもタイミングというのは異なりますから、やはり専門家の指示を仰ぐべきだと思います。
- 債権者の様子を伺い、売却基準価額が決まったあたりで交渉に入るのか?
- その前に交渉に入るのか?
- どの段階で申出をすればお互いスムーズに話が進むのか?
これを判断できるのは専門家と言えるでしょう。
競売が開始されている場合には失敗できません。
信頼できる専門家に相談することをオススメします。