「待って」とは言えなくなる
期限の利益喪失とは、債務者(借金をした人)が債権者(お金を借りた相手)に対して、「もう少し待って」と言えなくなってしまう状態のことをいいます。
そして、民法第137条でどのような場合の時に「待って」と言えなくなるか規定されているので、分かりやすく紹介しておきます。
参考:民法百三十七条(期限の利益の喪失)〜e-GOV法令検索
- 破産手続きの開始が決定したとき
- 担保となっている建物などを債務者が自分でつぶしたり損傷するなどした場合
- 保証人をつける事が条件だったのに、いつまでも保証人をつけない場合など
では、これを住宅ローンの例で簡単に説明をすると!
債務者が返済期日を過ぎているにも関わらず、返済をしない場合は、期限の利益の喪失にあたり、債権者は債務者に対して、全額返済を求めることができるようになります。
つまり、「分割返済ではもう待てない、残りの全部を返してください」という事です。
その他にも、
上記なども、期限の利益を喪失する原因となる場合もありますから、注意をして下さい。
なお、逆に期限の利益が喪失されていない状況では、債務者は債権者からの返済請求に対しては、返済を拒否することができます。
債務の支払いを分割にする要求を出すことができます。
更には、保証人に債務を請求しないように要求することもできる権利が存在します。
これが「期限の利益喪失」という事になります。
住宅ローンでこれが登場するのは、ローンの支払いが3〜6ヶ月程度滞った場合です。
期限の利益喪失の通知が送られてくると!
さて、この通知が送られてくると、当初の計画通りの分割でのローンの再開は非常に難しい状態となります。
債権者からは一括での返済を求められているわけですから、何か手を打たなくてはいけません。
間違っても、「どうせ破産するしかない」と諦めてはいけません。
そこで、任意売却することを考えてみてください。
少しでも残りのローンを減らすこと、自分の手元にお金を残すことを考えるのです。
まだこの時点では、それが出来る可能性があります。
何ら手を打たないでいれば、間違いなく競売の申し立てをされて、あなたの大切な持家を人の手によって手放さなければならないことになります!
そうなる前に、行動してください。
期限の利益喪失の通知がきたら、まずは、専門家の無料相談を利用して、アドバイスを受けることをおすすめします。
それに、もしかしたら任意売却もすることなく、持家を手放すことなく、ローン問題が片付くかもしれません。
弁護士であれば、小規模個人再生や給与所得者個人再生を利用して、そのような解決も可能です。
とにかく、手遅れになる前に相談に行ってください!