解決への道のりは険しい
交通事故の示談について説明しましたが、自分だけで示談交渉をして、示談することも十分に可能です。
しかし、後から後悔しないためには、それなりの知識や交渉術を身につける必要があり、大変だと思われる方もいることでしょう。
また、事故でケガをしている状況であれば、そんな中で示談成立に向けて自力で奮闘する事は、大変大きな負担になるかと思います。
このような方は弁護士に依頼するのも一つの方法です。
弁護士に依頼する事で、法律的な問題はもちろん、治療期間中の加害者の保険会社担当者や加害者の窓口になってくれますし、均衡もはかってくれます。
- 必要な書類の指示
- 後遺症認定診断書の作成ポイント
- 治療の症状固定日のタイミングやアドバイス
- 示談書作成から締結まで
スムーズな解決に向けてサポートしてくれます。
これは何も被害者だけの事ではありません。
加害者になった場合でも、起訴猶予にするために被害者との均衡を図り、サポートをしてくれます。
多くの方が交通事故に遭うのは初めての事でしょう。
精神的なダメージを受けた状況で、加害者・被害者として何をすればいいのか?冷静な判断や交渉は難しいかと思います。
少しでも煩わしい事から解放され、一日でも早く事故前の日常に戻れるよう、お手伝いをするのが弁護士でもあります。
交通事故に遭われてどうしたらよいのか困った時には、一度弁護士などに相談するのも早期解決への方法です。
弁護士費用がもったいないと思われている方へ
弁護士費用は高額だ!費用倒れになってしまう!
このように思われる方も多いと思います。
しかし、弁護士に依頼すると多くの場合、示談金額はご自分で交渉されるより引き上げられます。
交渉のための準備や交渉期間などの時間的負担が無くなります。
また、弁護士に依頼したことで安心感がうまれ、精神的負担も取り除けるでしょう。
これらの事だけでも、弁護士費用を払っても委任するメリットは十分にあるかと思います。
それに最近では、被害者が加入している自動車保険には、弁護士保険という特約が付いている場合が多くあります。
特約があると
- 依頼した際の弁護士費用
- 訴訟費用
- 法律相談料
- 仲裁
- 和解
- 調停に要した費用
これらが保険で支払われるため、持ち出しがなく済むケースが殆どです。
この保険の内容は各会社や保険内容によって異なりますが、一回の事故で弁護士費用300万円まで、法律相談料10万円までが支払われるというものです。
また、殆どの場合が弁護士を自分で探す必要がなく、日弁連や弁護士会を通じて紹介を受ける事ができます。
この特約ですが、保険料は年間で1000円〜1500円くらいで付けることができます。
自動車保険の加入の際には付けておくことをお勧めします。
弁護士費用の相場
では、この特約がなく弁護士に依頼した場合の弁護士費用の相場は?
まず、弁護士費用の内訳を説明します。
着手金 |
事件処理に着手する時点で必要な費用で、事件の結果に関係なく必要な費用 |
---|---|
報酬金 | 事件解決で得た利益に応じて必要な費用 |
手数料 | 事件処理を行う費用 |
実費 |
・裁判所に納める費用 |
これが弁護士費用となりますが、実費や手数料はどの事務所でも同様です。
問題は着手金と報酬です。
これに関しては、弁護士報酬基準が弁護士によって異なります。
一概には言えませんが・・。
着手金は10〜20万円程度。
報酬金は損害賠償額の約10%〜約18%(消費税別途)
のところもあれば、
経済的利益の約10%〜約18%というところもあります。
経済的利益とは
例えば、
相手の保険会社の提示が500万円。
交渉のすえに1000万円の示談が成立した場合。
得られた経済的利益は500万円となります。
ですから、500万円×10%+消費税で54万円となります。
しかし、損害賠償額が基準となると、
示談成立の額1000万円の約10%ですから
1000万円×10%+消費税で、108万円となります。
約100万円もの差となりますから、弁護士を探す際には弁護士費用もチェックしておくべきです。
また、着手金が無料、着手金と報酬金で割合が異なる、経済的利益額によって割合が異なるなど、様々です。
相談に行った際には遠慮せず聞いておきましょう。
加害者となった場合の弁護士費用について
着手金 | 30万円〜40万円+消費税 |
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報酬金 |
30万円〜40万円+消費税 |
保釈請求をおこなった場合や認められた場合 | 5万円〜20万円程度 |
法律相談については、家族からの相談だと無料というところが多くなっています。
なお、加害者となった場合については、早い段階で弁護士の選任するのがベストです。
【参考ページ】【交通事故】加害者になってしまったら〜加害者が負うことになる責任
交通事故の多くが不起訴処分となって起訴されずに解放されますから、弁護士に依頼する事で有罪とならずに済みます。
弁護士に依頼するかどうかは後にして、まずは一度、弁護士などに相談だけでもしてみることをお勧めします。
相談窓口には、各事弁護士務所だけでなく、自治体による交通事故相談所や日弁連交通事故相談センターなどもあります。
活用してみてください。