過失相殺とは?その効果とは?被害者に過失がある場合は加害者への請求額が変わる

交通事故は不注意によって起こるものです。

 

交通事故では、一方だけの不注意において事故が起こるケースは全体としては少ないものになっています。

 

加害者の方が悪かったとしても、被害者にも不注意があるケースがほとんどです

 

そして、交通事故では、不注意があったことを過失があったと言います。

 

被害者にも過失があれば、加害者に損害賠償請求する際には過失相殺が行われるのです。

 

このように、交通事故では、過失に関連して、過失割合、過失相殺など、普段では聞きなれない言葉が多く使われます

 

これらは、納得のいく解決をするためにも必要な基礎知識となります。

 

ここでは、過失割合、過失相殺について、また過失相殺の効果などについて詳しく説明していきます。

1. 過失相殺されるかどうかは過失割合で決まる?過失割合とは?

 

交通事故では、どちらにどれだけの過失があるかを決めることになります。

 

それを過失割合と言います。

 

1つの事故を10として、加害者と被害者の過失を決めるのです。

 

例えば、完全に停止していた車に対して後ろから衝突した場合、衝突した側が100%悪いと言えます。

 

つまり、加害者の過失が10となり、被害者には過失がないことになります。

 

しかし、このような加害者の過失が10になるケースはとても少ないのです。

 

多くの場合、交差点での出会いがしらの衝突事故など、お互いが動いている状況での事故がほとんどです。

 

このような場合、加害者の方が悪かったとしても、加害者の過失が10になることはありません。

 

加害者だけでなく、被害者にも不注意(過失)があったとして、お互いに責任を負うことになるのが通常です。

 

一度くらいは聞いたことがあるかと思いますが、3対7とか2対8など…

 

これは、過失割合のことです。

 

 

このように、まずは過失割合を決めることになります。

 

すぐに専門家に相談したい方はこちら

 

1-1 被害者にも過失がある場合とはどんな時?ちょっとしたルール違反で過失に

過失の程度はどのような基準で決まるの?

 

運転するにはルールがあります。

 

例えば

  • 教習所で習ったような赤信号は止まれ
  • 道路標示に従う
  • 前方に注意する

運転する者は一定のルールに従いそれを守る義務があります。

 

これは道路交通法に規定されており、その規定に反した場合には過失があったことになります。

 

更に、自分が回避できる範囲において対処をしなかった場合にも過失があったと判断されます。

 

 

・被害者にも過失がある場合〜具体的な例

 

前から車がバックしてきてぶつかりそうなのが分かったにも関わらず、クラクションを鳴らさなかった場合

 

できることをしなかったことになります。

 

よって、過失があると判断されることもあります。

 

自動車事故において過失があったかどうかは、上記のような規定違反や守るべき義務の違反

 

更には一般的常識においての範囲で対処したかどうかが基準となります。

 

過失については、道交法に加えて判例によって判断され、過失の割合が決まります。

 

なお、実際には、「民事交通訴訟における過失相殺等の認定基準」という事故形態をまとめたものを参考にして決定されます。

 

2. 過失相殺とは?過失割合をもとに損害賠償請求できる金額は決まる

 

民法722条では、被害者にも過失があった場合には、責任を負わせると定めています。

 

そこで、損害賠償の責任(不法行為の責任)においては、お互いの事情に照らして、公平に責任を分担することとなります。

 

具体的には、被害者にも過失があれば、その過失分について損害賠償額から減額する、ということです。

 

これを過失相殺といいます。

 

2-1 過失相殺の効果とは?過失相殺の例

 

過失相殺が行われるとどのような結果となるのか?

 

具体的なケースで説明します。

 

交通事故全体としての損害が300万円だった場合

被害者に過失がなければ、被害者は加害者に対して300万円の損害を請求できます。

 

過失割合が被害者2、加害者8だった場合

2割は被害者が責任を負担することになります。

 

つまり、残りの8割についてのみ加害者に責任を追及できるので、損害額300万円の例でいくと、加害者に対しては240万円の請求ができます。

 

一方、被害者も2割過失があるため、60万円の責任を負担することになります。

 

交通事故で過失割合や示談金に納得できない場合には専門家へ〜無料相談できる専門家一覧

トップへ戻る