誰もが事故を起こさないように十分に注意していることでしょう。
しかし、
万が一、事故を起こしてしまったら…
事故に巻き込まれてしまったら…
殆どの方はどうしてよいのかわからない状態になります。
自分が取るべき行動は何なのか?
間違いなく混乱する事でしょう。
まずは落ち着くことが大切です。
そして、後悔のない解決に向けて対処していきましょう。
ここでは、スムーズな解決のための具体的な対処や対応、事故後のことについて説明します。
1. 解決までに時間はかかるの?スムーズな解決ための対応
- 加害者または被害者になったときに考えるべきことは?
- 相談は誰にするべきか?
- 事故後に何が起きるのか?
更に、各種手続などなど…
わからないことがたくさん出てきます。
長引かせないため、混乱しないためには、
まずは加害者・被害者ともに解決までの道のりをしっかりと把握しておく必要があります。
では、下の図を参照して下さい。
これが大まかな一連の流れになります。
なお、それぞれの段階での詳しい説明は加害者、被害者では異なってきます。
次項の
で御説明していきます。
参考にしていただければと思います。
2. どんなケースだと長引くの?解決を困難にさせる要素はお金
交通事故の当事者になった場合。
解決までの一連の流れの中で、一番もめるのがお金の問題です。
特に人身事故の場合です。
物損事故の場合には、それほどお金の問題が複雑にはなりません。
スムーズに解決する事が可能です。
しかし、人身事故となると、そうはいきません。
これは弁護士事務所に勤務していて感じた事ですが、交通事故の発生件数をみると一応は減少傾向です。
それにもかかわらず、交通事故の相談件数は増えています。
そして、その相談内容はほぼお金に関わる相談です。
過失割合や慰謝料や休業損害額、示談金の金額についての相談です。
交通事故の素人である加害者・被害者同士での示談交渉ならこじれるのもわかります。
ですが、任意保険に加入して、保険会社同士の交渉が行われているにもかかわらず、示談交渉がこじれることも少なくないのです。
これは損害保険会社(自動車保険)のサポート体制にも問題があるのですが、自動車保険は過当競争状態です。
個別案件ごとの支払額をしぼってきていたり、保険内容を薄くしていることで、任意保険に加入していてもスムーズな示談交渉が困難となっているのです。
そのため、弁護士への相談件数は増えていると言えます。
3. 任意保険会社に対応を任せていいのか〜過失0を主張する場合は対応してくれないこともある
殆どの方は、「任意保険に加入していれば安心だ!」と思われているでしょう。
しかし、何も知らないと損をします。
任意保険に加入している場合、加害者は自動車事故を起こしたら、すぐに保険会社に連絡するのが通常です。
そして、連絡を受けた任意保険会社は、示談交渉のために被害者に対して連絡を入れてきます。
被害者はこの連絡を受けたら、被害者も任意保険に加入している場合には、保険会社に示談交渉を頼むべきです。
ただ、被害者が過失がないと思われている場合、任意保険に加入していても示談交渉をお願いできない保険内容になっている任意保険会社もあります。
その場合には、被害者本人が加害者の任意保険会社とやり取りして、示談交渉を進めて行く事になります。
そして、被害者側から見た場合、このケースでの示談が一番損をする可能性が高くなります。
なぜなら、プロ対素人の交渉になるからです。
3-1 被害者本人と加害者の任意保険会社間での直接交渉〜本人がやるリスク
加害者側の任意保険会社から、「慰謝料は○○円で」と提示を受けたとします。
「何を基準にして○○円と算出したのですか?」とまで聞けますか?
損をしないためには、ここが重要なポイントなんです。
4. 交通事故で関係してくるお金は?種類が多い損害金
交通事故で関係してくるお金には、いくつかの種類があります。
積極損害 |
・治療費関係 |
---|---|
消極損害 |
・休業損害 |
慰謝料 | ・傷によって被った身体的、精神的苦痛に対して支払われるもの |
なお、算定される際には過失相殺、損益相殺(被害者の側に落ち度がある場合、その分を請求する損害額から割り引くもの。
既に、何らかの方法で埋め合わせ(損害のてん補)を受けたもの)も考慮されます。
それぞれの項目について、それなりの説明をしてくることでしょう。
しかし、素人の場合、全体的な金額として妥当かどうかを見てしまいます。
損をしないためには、それぞれについての金額を見てほしいのです。
その中でも特に、消極損害、慰謝料についてです。
慰謝料には、いくつかの基準があります。
たいていの場合は、低い基準を使って算出した金額になっています。
その理由は、個別案件ごとの支払額をしぼってきているからです!
損害保険会社としては、「できるだけ支払いたくない」というスタンスです。
そういったことを知らずに示談交渉をしてしまうと、被害者は、本来もらえるべき正当な金額をもらえずに終わる、という結果となります。
5. 損害賠償額の計算方法は?計算の仕方は3つ
慰謝料などの損害賠償額の基準が1つではない、ということを知らなかった方は気を付けて下さい。
実際に、低い提示金額だと分からずに、応じてしまっている方も多くいます。
これ以外にも、交通事故の示談では色々な要素が含まれてきます。
法律的な事も多少は知っておく必要もあります。
「何も知らずで、言われるがままに示談が成立してしまった…」
原則として「取り消し」はできません。
よって、新たな事実関係がわかったとしても、示談金額は変更できません。
そこで、示談交渉が進み、過失割合や損害賠償額を提示されても、すぐに判断しないでください。
正当なものかどうか?不明な点はないか?について、弁護士に相談しておくのが無難です。
金額的な事や法律的な事などがさっぱり分からない場合も同様です。
弁護士などに相談に乗ってもらい、正しいアドバイスを受けるべきです。
なお、日弁連交通事故相談センターや県や市の交通事故相談所等でも弁護士による無料相談はやっています。
行政機関では、交通事故巡回相談なども行い、交通事故の相談窓口を設けています。
お住まいの県や市役所のホームページ等を確認してみてください。
市区町村によっては異なりますが、交通事故巡回相談日程が掲載されています。
お気軽に利用してみるといいでしょう。