主な遺産が不動産だけだとトラブルになる確率が高い!事例と対処法

主な遺産が持ち家しかないケースは、相続でトラブルになりやすい傾向です。

 

平等に分けることが難しいこと、長男が全ての財産を相続するという今は廃止されている家督相続の影響が残ることが原因です。

 

売却して現金化すれば平等に分けることが可能になりますが、相続人の一人が家を相続するケースも多いと思います。

 

そこで、不動産の相続でよくあるトラブルとその対処について紹介します。

1. とにかく平等にしたい相続人がいるケース

 

父と母が亡くなり、残された遺産は持ち家と少しの預貯金だけでした。

 

持ち家の価値は2400万円程度です。

 

子供は3人います。

 

長女、長男、次男(私)です。

 

長女は独身ですが、長男と私は家庭を持っているため、父母が亡き今、実家は空き家になっている状況です。

 

長男はとにかく平等にこだわって、実家を3人で800万円ずつの共有持分として相続しようと言っています。

 

長女については、実家を売るなんて考えられない、自分(長女)が実家を相続すると。

 

その代わり長女の貯金から兄と私(弟)に相続分を現金で支払うと言っています。

 

私は、誰も住むことのない実家を売却した方が良いと思っています。

 

売却金を3人で平等に分けるのが一番良い方法かと。

 

他の遺産と言えるものは預貯金の100万円程度です。

 

そして、姉は私が住むといって、突然、実家に引っ越してしまい、身勝手な行動をしてしまう始末です。

 

兄弟間でいくら話し合っても全然話がまとまりません。

 

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2. 共有持分は後の世代に問題を残すことになる! 売却が一番良い方法

 

今回のケースのように、遺産が実家とわずかな預貯金しかない場合、不動産の占める割合が多いため不動産をどうするかがポイントになります。

 

長男 共有持分

共有持分にするという長男の案の場合、問題を次の世代に残すだけです。

 

一見すると平等な分け方だと思えますが、それぞれの持分はそれぞれの子供へと相続されていきます。

 

結果的に、実家の所有権を持つ人数が多くなってしまいます。

 

売却するにも名義変更するにも多数の人が関わり、さらに、いとこ同士での話し合いになります。

 

トラブルとなる可能性が高くなるのです。

 

子供達の世代にまで問題を先送りすることになるだけです。

 

共有持分にする相続は避けるべきでしょう。

 

長女 実家を相続する

 

長女の案については、本当に長女が自分の貯金から兄弟の相続分を支払うということが可能かどうかをまずは確認してください。

 

相続分の支払いができない場合には、長女だけが遺産を受け取ることになってしまうので、結果的に不平等になるため注意が必要です。

 

また、長女が亡くなった際の相続についても考えておかなくてはいけません。

 

長女については独身ということなので、長女が亡くなった際の相続でまた実家が問題となります。

 

将来のことを考えてしっかり決めるべきです。

 

このように、長女、長男の案については、今回の相続ではトラブルにならなくても、それぞれ次の世代にリスクが残ってしまいます

 

次男 平等に分ける

 

一番良い方法としては、次男の案です。
実家を売却すれば、売却金を3人で平等に分けることができます。

 

次の世代に問題を残すこともありません。

 

この方法をオススメしますが、公平性を求めるなら、この他に分筆という方法もあります。

 

分筆とは
相続人が3人なら土地を均等に3等分して分ける方法です。

 

公平ですし、固定資産税が安くなるというメリットはあります。

 

ただ、土地は小さくしてしまうと評価額が下がります

 

測量や登記費用も必要になりますし、将来売却する場合には売却額も低くなることがデメリットです。

 

2-1 共有持分にした後に共有者から買い取るのも1つの方法です

 

共有持分にすることは次の世代で問題になることを説明しましたが、共有者から買い取ることで問題を先送りにしなくて済みます。

 

相続では3分1ずつとして、その後、例えば長女が長男と次男の持分を買い取って、長女の単独所有にします。

 

長男と次男は持分の代わりに売却資金が入るので、損することもありません。

 

分筆するわけでもないので、測量なども必要ありません。

 

2-2 親が生きているうちの相続対策〜親子間売買

 

親がなくなった後に実家に相続人の誰かが住むような場合、親が生きているうちに親族間売買をしておくのも相続対策の一つです。

 

今回のケースで例えると、親が亡くなる前に長女が実家を買い取るのです

 

結果、親の主な遺産は不動産ではなく現金となり、遺産分割もスムーズになります。

 

ただ、買い取る側(長女)が売却資金を一括で払えるかどうかがポイントです。

 

親子間売買の場合、住宅ローンを利用する際の審査がとても厳しくなっています。

 

なお、資金がないからと安くすれば贈与税がかかり、余計に負担は大きくなります。

 

売却価格は、他人同士の売買と同様の価格に設定する必要があります。

 

現金一括では払えない場合、不動産担保ローンを利用する方法もあります。

 

家を抵当に入れて、お金を借りることができ、不動産評価額の6、7割程度の融資を受けることができます。

 

親子間売買は親が生きている時にしかできませんが、知っておくことで対策が可能となります。

 

今回のケースでは、まずは不動産の相続方法とそのリスクについて、相続人の間で共有してください。

 

情報が少ないことで、頑なになってトラブルになることも多くあります。

 

まだ話し合いができる段階なら、将来のことを考えた遺産分割を提案いてみるといいでしょう。

 

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